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伊勢志摩

春も佳境となる3月末、宮島永太良は三重県の伊勢、鳥羽、志摩地方を訪れた。名古屋から近鉄電車に乗って県庁のある津、そして神宮で知られる伊勢を越え、まず最初に足を運んだのは三重県鳥羽市。山々の景色から突如とあらわれる英虞湾(あごわん)の景色は絶景である。いくつものいかだが浮き、漁業が盛んな様子がうかがえる。この伊勢志摩の地域はリアス海岸が広がり、そのため海の向こうにはいくつもの陸地が見える光景が楽しめる。漁業とともに真珠も名産で、街中には真珠店が多く、真珠店ばかりが集まった専門エリアも見て取れる。

伊勢志摩

鳥羽は水族館があることでも有名だが、今回はその鳥羽水族館も少しのぞいてみた。1,200種の水中の生き物が見られ、日本国内では最大級の水族館だ。水族館ではよく見られるイルカのショーの他、アシカ、オットセイ、ペンギン等のショーも見られるのは貴重な体験だ。人間のお兄さんとオットセイによるショー、特にフリスビーキャッチは圧巻である。これはそう簡単なものではなく、この日も五回目にしてやっと成功した。観客も手に汗握るエキサイティングだが、一番精神的に大変だったのはお兄さんだろう。四回目が成功しなかった時のプレッシャーは相当なものだったと思う。オットセイ自身は「取れれば取る。取れなければ取らない」を貫いているだけだと思うが。

伊勢志摩

この鳥羽市の隣は伊勢市であり、伊勢神宮にも近い。しかし伊勢神宮に行く前に寄りたい場所がある。二見興玉神社である。間近に「夫婦岩」がそびえる二見浦海岸にあり、場所柄、伊勢神宮に行く前に、ここで身を清めて行くという習わしが昔からあるそうだ。その意味では広い意味で、伊勢神宮のうちの一つと捉えることもできるそうだ。そしていよいよ伊勢神宮へ。

伊勢志摩

伊勢神宮の正式名称は「神宮」であり、伊勢と付くのは他の神宮と区別するためであるという。また他の神宮や神社が、和風の、お寺と似ている建物の所が多いのに対し、伊勢神宮は高床倉庫の形が基本になっている。天照大神が祀られている皇大神宮(内宮)と、豊受大御神が祀られている豊受大神宮(外宮)とが代表的だが、実は先に寄った二見興玉神社も含め、三重県内125の神社により、伊勢神宮は構成されているという。
まずは外宮から参拝。近鉄の伊勢市駅の至近距離にある。内宮、外宮とも20年に1回の式年遷宮、つまり建て替えが行われることはよく知られているが、外宮の敷地内にはそのための場所と思えるものも見える。「神が乗る馬」とされる白馬・神馬(しんめ)も内宮、外宮に2頭ずつおり、一日のうち、そんなに見る時間はないというが、宮島は過去2回、この外宮で見たことがある。

伊勢志摩

外宮からバスで10分ほど移動すると、いよいよ天照大神を祭る内宮に到着する。鳥居をくぐると、五十鈴川にかかった橋から眺める景色には心が包まれる。本宮は参拝客で込み合っていたが、人の多少にかかわらず、その宇宙にも通じるような神聖な空気がみなぎっている様子は、今も昔も変わらない。参拝が終わると「おかげ横丁」で買い物や飲食が楽しめる。地元名物「赤福」や松坂牛の店にも観光客がひしめく。

伊勢志摩
伊勢志摩

そして、伊勢市からさらに南の志摩市にある賢島へ。近鉄の駅の終点でもある。この賢島、名前にあるような「島」には感じられないが、実は本当に島であった。本州とはたった10メートルほどだが離れているのである。近鉄線も一応鉄橋をわたるが、よく見ていないと気がつかないほどだ。ここ賢島は2016年、伊勢志摩サミットが行われた場所としても有名だ。今回そのサミットが行われた志摩観光ホテルものぞいてみた。当時の安倍総理大臣を中心に、当時のオバマ大統領、メルケル首相などが並んだ撮影台もそのまま残り、観光客が記念写真を撮る時に大活躍している。

伊勢志摩

また、このホテルのエントランスに、宮島も長年お世話になっている住谷重光さんの絵画作品があることも特筆できる。合計5点。先号でレポートした、小田原の福井クリニックにある作品とはまた違った趣で、この賢島の海の景色を映し出しているかのような雰囲気を持った抽象画である。

伊勢志摩

宮島が賢島で好きな場所は、港沿いである。この港からは16世紀スペインの帆船型遊覧船「エスペランサ」に乗って島の周囲を遊覧できる。この港周辺は広くはないが、宮島の出身地の近く、神奈川県の三浦半島を思わせる雰囲気がある。そしてここにも真珠店が多い。店々の間にはバーやカフェもあり、昼から一杯やっている人たちの姿も見えた。

伊勢志摩

そしてまたわずかの橋をわたり「本州」へ戻り、横山展望台へ。標高203メートル。「横山」の名は、沖合からこの山を見ると、横に広がっているからだという。
目の前の賢島をはじめ、英虞湾を囲むリアス海岸に彩られた伊勢志摩の風景が一望できる。神の都であるこの地域の空気は、この場所で一段と、その厳かな恵みを与えてくれているようだ。明日からもまた良い日が続くことを、あらためて祈りたい。

 

(文・写真 宮島永太良)

 
 
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