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◇連載 第6回 宮島永太良とアートが気になるインタビュアーの対話

 

ここからアートステーション 第6回 口の話

=アートが気になるインタビュアー/=宮島永太良

:目、耳、口、鼻など、顔にまつわる話を何回かして来ましたが、もう一つボリュームの大きい部分がありました。それは髪の毛です。宮島さんにとって、髪の毛とはどのように感じますか。

:私は人間の体の中でも髪の毛というのは、わりと特殊な所のような気がしています。まあ人間は哺乳類、いわゆる「獣」ですが、唯一毛で覆われていない種と言われます。しかしそれでもたくさんの体毛はあるのですが、そんな中でも髪の毛は、体毛の中でも植物のイメージが強い気がします。

:また髪の毛は、絶対にないと困るものでもないところも特徴ですよね。

:平均で約10万本あると言われますが、髪の毛の主な役目と言えば、頭の皮膚を守る、紫外線から脳を守る、また、尿や便で排泄できなかった老廃物を排泄するなどがあります。しかしこれだけ大事な役割を持ちながら、無くても全く問題ない、あるいは自ら削除する人も多いですね。

:自ら削除する代表格はお坊さんですね。

:最近はお坊さんでなくとも剃ってしまう人(主に男性)はたくさんいるようです。私の知人で、少し髪が薄くなった人が、いわゆる波平さんのような髪型になるのを避けるため、あえて全部剃ってしまった人がいました。その人がある夏の日に「やっぱり森林の重要性がわかった」と言うのです。自分の頭上から出た汗がそのまま顔まで流れて来てしまうのを考えると、やはり山は雨水が森林でせき止められていることが大事、とやや独自な見解ではありますが、なるほどとは思いました。

:やはり植物的な特徴ですね。そしてビジュアル的な面ではいろいろ影響力も多いようですね。

:ある程度の年齢になると禿げるのは主に男性ですが、それは男性ホルモンの影響であり、女性でも男性ホルモンがやや強い人は、抜け毛の悩みがあると聞いたことがあります。

:最近はレディース○○といったウィッグもあるようですからね。

:またこれも男性ですが、アジア人より欧米人の方が圧倒的に「禿げている人」の割合が多いのも事実です。ただ、髪の毛がなくなるのは高齢のせいだけとは限りません。実は私の高校時代の同級生にも、当時から頭皮の病気のためか全く髪の毛のない人がいて、学校にはウィッグを付けて通っていました。その当時はまだ髪の毛があるのが普通みたいなところがあったので、やはりそのままの姿では出づらかったのでしょう。

 

 

作品名:悪者はいない キャンバス・油彩 53cm × 46cm 制作2008年

 

:ある程度歳をとった人ならともかく、高校生なのでご本人は気にしていたんではないでしょうかね。

:そう思います。ところが30歳を過ぎてから同級生の結婚式でその友達に会ったところ、もう普通のスキンヘッドの人と同じようにしていて、もともと髪の毛がなかったなど、知らない人が見たらわからないでしょう。時代が変わったなと思いました。

:宮島さんはご自分の髪の毛を気にされたことはありますか。

:はい。私も現在のところまだ普通に髪の毛はある方と思いますが、祖父の生前の写真を見ると、私くらいの年にはほとんど髪の毛がないようだったので、これからちょっと不安ということもあるにはあります。

:今「不安」と言われましたが、やはり髪の毛がないということは、不安に思われる方も多いわけですよね。
また、髪の毛が抜けるのとともに白髪というのも昔から老化の問題として考えられています。

:こちらは男女関係なく起こる問題ですよね。しかし白髪というのも、やはり見ようによっては「威厳」とか「風格」みたいに解釈されることもあり、マイナスばかりではないと思います。それでも白髪を黒く染める人が多いのもまた事実です。

:最近ではファッション的理由から、あえて頭を白く染める人もいるので、何が良いかは千差万別でわかりません。

:確かにアンディウォーホールのような白髪を見ればかっこいいと思ってしまいます。白髪に関しては日本人を含むアジア人も欧米人もあまり変わらないので、憧れとしては近づきやすいとは思います。

:そんな髪の毛ですが、白くても黒くても、人の顔を描く時はべた塗りされることも多くありませんか。

:確かにそうですが、それを突き詰めて行くと、肌も本当はべた塗りではなく毛穴が一つ一つ、産毛も一本一本、ということになってしまうわけで、ある程度は「省略の美」というものが許される気がします。

つづく

 

  
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