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◇連載 第8回 宮島永太良とアートが気になるインタビュアーの対話

 

ここからアートステーション 第8回 体と色彩@

=アートが気になるインタビュアー/=宮島永太良

:前回までは、体の各部分、主に人間の頭部から上について、各場所に分けながら、アートに関することも交えて語っていただきました。顔全体から始まり、目、鼻、耳、口、そして髪の毛と続きましたが、あらためて人間の体は奥が深い。そしてそれぞれの健康を考えるほど、アートな考えに行きつく、ということがわかりました。今回は、そんな人間の体を今一度、宮島さんの一つのアート作品をもとに考えてみたいと思います。題して言うなら「体と色彩」です。

:はい、今日ご紹介するのは、今から6年ほど前に制作した作品です。

:6年前と言えば「健康とアートを結ぶ会」を設立された頃ではないでしょうか。
何か関係性のある作品でしょうか。

:かなり関係はあると思います。確かその頃、色彩心理学のことをちょっと調べていた思い出があります。

:色彩とは心理に影響を及ぼすことが昔から言われていますが、心理に影響するということはまた体にも影響するということになりますね。

:そうでうね。この作品は、太古のインドやエジプト、ギリシャなどで考えらている「チャクラ」をテーマにしたものです。色彩心理学から、このテーマに行きついたのでした。チャクラとは、サンスクリット語で「車輪」、「回る」という意味で、「エネルギーが出入りしている場所」のことと言われます。そして人体には7つのチャクラの場所があるのです。「チャクラ」を起点として体の各場所が車輪のように絶えず回って活力を生み出していると言われます。

:ヨガでも有名なテーマになっていますよね。それを作品化されたんですね。

:はい。チャクラは背骨のラインに沿って直線に並んでいいて、それぞれの場所にふさわしい色があるのです。

:はい、以下に簡単にチャクラの各部分を説明いただきました。

 

●第1チャクラ(ムーラダーラ)
脚部、いわゆる下半身と呼ばれる部分。該当色は赤。安定感、安心感を司る。自然と触れ合うことで活性化する(地に根をはるイメージ)
●第2チャクラ(スワーディシュターナ)
丹田、へその下あたり。該当色は橙。自立心、創造性、社会性などを司る。自分への信頼感も関係する。腹式呼吸、瞑想、芸術に触れる等で活性化。
●第3チャクラ(マニプーラ)
みぞおち。該当色は黄。自信、活力、自己愛、責任感等につながる精神を司る。日光を浴びる、火を見つめる、運動するなどで活性化する。
●第4チャクラ(アナーハタ)
心臓、胸の中央。該当色は緑。愛・感情・情緒、思いやり。心臓部だけに、心的なものを司る。周囲の人や物事に対して感謝の念を持つ、相手を思いやる、利他的な行動に努める等で活性化。
●第5チャクラ(ヴィシュッダ)
喉、首の周辺。該当色は青。自分で何かを伝える、スムーズに表現することを司る。話す。歌う。踊るなど自己表現をすることで高まる。
●第6チャクラ(アージュナー)
眉の間。該当色は藍。思考力、洞察力、本質を見抜く能力を司る。日光を浴びる。デジタルデトックスを試みる等で活性化する。
●第7チャクラ(サハスラーラ)
頭頂部。該当色は紫。宇宙観とつながり、インスピレーションが湧くなど、超自然的な要素まで司る。睡眠の質を高める。徳をつむ。星空を眺める等で高まる。

 

 

 

:以上ですが、体の上部に行けば行くほど、その範囲は狭くなり、また高次元の能力とつながるのがわかります。

:それぞれに呼応した色ですが、何かと共通点があるのはわかりますか。

:そういえば虹の色の純と同じですね。しかも逆になっています。

:昔から「頭寒足熱」と言われるように、頭頂部は寒色、足元は暖色となっているのが理にかなっています。

:では次回は、具体的にどのような作品の楽しみ方を狙ったのか、そしてどういう効果があるのか見て行きましょう。

つづく

 

  
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