TOPReportage : イベント報告

第2回「健康をめざすアート公募展」 受賞者決まる

2024年6月19日(水)から23日(日)まで、宮島永太良が代表理事を務める一般財団法人 健康とアートを結ぶ会 主催第2回「 健康をめざすアート公募展」が、東京都新宿区大京町12-9のアートコンプレックスセンター(ACT)で開催された。

  

2024年度の応募者は50名、自らの体験をベースにした力のこもった応募作品総数は59点で前年度を上回ると同時に、首都圏だけでなく兵庫や新潟等地方からの応募もあり、注目度がより一層増しているのを感じた。

  

会期中には7名の審査員による選考が行われ、最優秀賞1名、優秀賞と佳作は前回より1名ずつ増え、それぞれ3名が選ばれた。最終日6月23日(日)14時過ぎからACTの会場で、多くの出展者が見守る中で授賞式が行われ、最優秀賞の寺脇早也加さんと、佳作の長田智佐子さん、大竹夏子さんの3名が出席。加えて優秀賞を2年連続受賞したカモタオユコさんは遅れて到着したが、会場にいた方々やスタッフから温かい拍手を受けていた。

  

☆受賞者と作品名
最優秀賞:寺脇早也加   「夢から醒めて」 
優秀賞 :カミジョウミカ 「脳神経はどこへいく」 
優秀賞 :ちろくろ    「金の魚群シリーズ ChapterV」 
優秀賞 :カモタオユコ  「バイタリティ」 
佳作  :長田智佐子   「セルフハグ」 
佳作  :くまぱぱ    「冬に在り春を想う」
佳作  :大竹夏子    「また明日」 

◇ 審査員
細井孝之   [健康院クリニック 院長]
内海信彦   [アーティスト/早稲田大学 研究員]
宮田徹也   [日本近代美術思想史研究]
村岡ケンイチ [アーティスト/医療とアートの学校 校長]
式田 譲   [The Artcomplex Center of Tokyo 館長]
山下美佳   [The Artcomplex Center of Tokyo アートディレクター]
宮島永太良  [一般財団法人 健康とアートを結ぶ会 代表理事]
                              (敬称略)
*最優秀賞から佳作までの7作品は、Museum に掲載。

 
 
 
 

横浜での- 宮島永太良 さがしもの展 - 終わる

2024年6月25日(火)から30日(日)までの6日間、横浜市西区のみなとみらい駅近くのサブウェイギャラリーMで、京都の同時代ギャラリーに続いて-宮島永太良 さがしもの展-が開催された。

  

今回展示されたのは、白をベースにした作品「FIRST BELL A B」等の「おんなじさがし」や「まちがいさがし」にマルタ作品が加わった約30点、宮島作品は開放的な会場をより一層カラフルで明るい雰囲気にしていた。

  

広いギャラリー内の展示作品を観ていて特に楽しかったのが、宮島が考案した2作品の同じ部分4ヶ所を見つける「おんなじさがし」。中には手持ちのタイプの作品もあり、探すのは一見簡単そうに思えるが実際に行ってみると、これがなかなか難しく、宮島の考え通り「おんなじさがし」に挑んだ人は頭の体操になったに間違いない。

  

また、会期中の6月29日(土)午後にはママニエ〜ルの佐藤亜希さんと宮島永太良との物語トークが行われ、来場者の笑顔を誘っていた。

 
 
 
 

宮島永太良 特別ルポ「物語トーク」

6月29日、横浜サブウェイギャラリーMにおいて、宮島永太良主催のイベント「物語トーク」が開催された。同会場でこの時期行われていた宮島永太良「さがしもの展」の会期中に行なわれた個展関連イベントでもあった。
「さがしもの展」では、以前から宮島が脳の刺激をいざなう作品として作っている「まちがいさがし」「キャラクター数さがし」「言葉さがし」そして今年初登場の「おんなじさがし」なども紹介されたが、このイベントでは、宮島の紙芝居作品にも焦点をあて、「お話の中からも何かを探してほしい」という意図で、佐藤亜希さんをゲストMCに迎えて行われた。

  

佐藤さんといえば、子育て支援の「ママニエ〜ル」を主宰し、幼児教育にも造詣が深く、
tvkの天気予報でもマルタと一緒にダンスを披露していることでもお馴染みである。これまでもイベントや映像でマルタの紙芝居を読んでいただいたことがある。
また宮島も今年に入って、主に紙芝居をはじめとした読み聞かせ活動にも興味を抱き、実践するようになった。

  

イベントでは、冒頭に宮島の「妙な絵物語」から2編が、それぞれの朗読により紹介された。
そして佐藤さんから宮島へいくつか質問があった後、本題のお話紹介へと進んだ。
佐藤さんが読んだのは、現在YouTube映像でも紹介されている「さがしもの」。今回の展覧会名と一緒だが、直接の関係性はなく、こちらは「未就学児に学んでほしい10のテーマ」をもとに制作されたものである。

  

そして宮島が読んだのは、もう10年ほど前から構想のあった描きおろし作品「魔法のてるてる坊主」だった。これはマルタとトム、てるてる坊主とミミズの女の子が出て来るお話だが、今は亡きCM監督・佐々木隆信さんが生前に語っていた「ミミズをキャラクターにしたい」というアイデアがもとになっていた。
「土を綺麗にしてくれるミミズは、地球にとってなくてはならない生物」ということを子供たちに知ってほしい、ということであった。佐々木さんの仕事を手伝っていたことのある宮島が、その意思を「マルタの冒険」を舞台に生まれ変わらせたお話と言える。

  

当日、tvkの番組や「生きる」のコンサートで、長年マルタの声を担当している西原さおりさんもこのイベントの観覧に訪れ、貴重な感想をいただいた。
「今回はトークショーでマルタくん誕生秘話や宮島先生の子供時代のエピソードなどもたくさん伺えてとても嬉しかったです。そればかりか、先生ご自身による朗読やスライド紙芝居の上映をライブで拝見することができ、感動しましたし、ますますマルタくんが好きになりました。素敵な時間をありがとうございました!」

 
 

第8回イーゼル画会展

  

2024年7月1日(月)から7日(日)まで、銀座のミーツギャラリーで第8回イーゼル画会展が開催、絵画と彫刻作品合わせて37点が展示された。

  

イーゼル画会展の展示作品の基本は具象であることの一点。それを念頭に10名の出展作家が制作した作品はどれも個性的で力があり、それぞれを観ていると時間の経過するのを忘れる程、会期中には多くの方々が来場した。

  

前回まで代表を務めた岡野岬石さんは、
「イーゼル画会展以前から皆で活動をしていますが、こうして作品を眺めていると、年を重ねるごとに出展作家が力をつけ年々良くなって行くのを実感します。今年から代表は住谷重光さんになりましたが、これからも具象をベースにイーゼル画会展を続けていければと思います」と力強く語った。

  


◇第8回イーゼル画会展出展作家
石山久輔、糸山清重、岡野岬石、加藤恭夫、渋谷葉子、住谷重光、住谷美知江、高崎哲(彫刻)、田村美知子、内藤範子、浜田若生、米満泰彦(あいうえお順・敬称略)

 
 
 
 

吉澤幸子展 ふるさと

2024年7月1日から6日まで、東京都中央区京橋にあるギャラリイKで開催された「吉澤幸子展ふるさと」を観た。

  

吉澤幸子さんは作品「やけど」で2023年の第1回「健康をめざす公募展」で最優秀賞を受賞、その後も墨と和紙を用いて精力的に制作活動を行っている。今回展示されたのは、インスタレーション「戦場」新作「ふるさと」から「父」までの計13作品。どの作品からも吉澤さんの現代社会に対する強い姿勢が感じとれた。

  

全長10mの「ふるさと」や7mの「海」「じんたく」など個々の作品からは吉澤さん独特の力強さを感じたが、13作品の全てを一緒に観てイメージすると吉澤さん自身がいるべき場所を探しているかのような空気感が漂っていた。その思いを象徴的に物語っているのが、籐椅子に置かれた骸骨の「父」と別室に展示された3枚の作品「母」、これが彼女の見つけた「ふるさと」なのかもしれない。

  


取材協力:GalleryK ギャラリイK
東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4F
http://galleryk.la.coocan.jp

 
 
 
 
by Sekikobo
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