ミーツギャラリー招待 110回 金永植個展
2024年9月23日(月)から28日(土)までの6日間、韓国大邱(テグ)市出身/金永植さんの「110回 個展」がミーツギャラリーで開催された。金さんは昨年春の「101回 」からミーツギャラリーでは2度目の個展になった。
爽やかな9月24日(火)午後、会期2日目のミーツギャラリーを覗いた。今回も題名は全て「夢」で新作を中心に28作品が展示され、会場内は明るい雰囲気に包まれていた。
金作品はカラフルさに加えてシンプルな構図が多いが、浅いイメージは全くなく不思議な深さを感じ鑑賞者の心をくすぐり、清々しい気持ちにしてくれる。その心地良さのため、いつもより自然に在廊時間が長くなってしまった。
こうした作品に今出会う機会は少なく、実験的で難解なアート作品が注目を集める時代だ。しかし、観るだけで心穏やかになる「夢」のような作品を見直す必要があるのではないかと改めて考えさせられた。
加藤力之輔展 50年の画業の足跡 Part11
2024年10月4日(金)から27日(日)まで、横浜市神奈川区新子安にあるGallery KASE で「加藤力之輔展 50年の画業の足跡 Part11」が開催された。
今回の個展は、約半月に渡り今年5月に行われたスペイン大使館での - 島眞一 × 加藤力之輔 二人展「予期せぬ再会」-を訪れた多くの来場者への感謝の気持ちを込めた一面もあった。
初日の4日(金)午後にGallery KASEを訪ね見回すと、加藤さんがスペイン時代に描いたティツアーノの模写から、近年の鎌倉ジタン館で制作された花のシリーズや風景画、それに加えて小さなサイズの群像画まで明るいギャラリー内に展示されていた。
入って右側の壁一面に展示された作品の多さに一瞬圧倒されるが、一人の画家によって描かれた作品群だから違和感はなく、楽しみながら観ることができた。こうした他では考えられない展示ができるのは、画家が持つ長年の画力の賜物と言えるのかもしれない。
そして作品を観ながらの会話から、加藤さんが7月に白内障の手術を無事終え、今はものが綺麗に見えるようなったことを知った。そのお陰で自分の作品の色の鮮やかさを再認識できたのと同時に直したい絵も見つけてしまったので、これからは修正作業も進めなければならないと笑顔で語っていた。
80歳を目前にして、新たな視覚を取り戻した加藤力之輔さんの今後の制作活動に注目したい。
住谷重光 展 吉村サカオ 彫刻展 同時開催
2024年10月7日(月)から13日(日)まで、東京都中央区銀座1丁目のOギャラリーでは住谷重光展 - 循・環・境 - 、隣室のOギャラリーUP・Sでは吉村サカオ 彫刻展 - 朔 - が開催された。二人の展覧会がこのスタイルで行われたのは今回で4度目、気心の知れた作家の作品を同時に鑑賞できるのはとても楽しく、一味違う魅力的な時空間を味わうことができた。
住谷重光展は、大磯の海などをモチーフにした作品「朝日」「海景」シリーズなど31点を展示。会場は住谷さんの筆の呼吸が伝わってくるような雰囲気が流れ、来場者を誘い、優しく癒しているかのようだった。
一方の吉村サカオ彫刻展は、「朔」など新月をテーマにした作品など8点を展示。会場全体で小宇宙を構成しているかのようで来場者の興味を夜空に誘い、硬い彫刻なのに軟らかさがこちらに伝わってくる気がした。
そして、二つの会場を往復しながらの作品鑑賞は単一で観るのとは違い、頭の中で違う視点ができるのを感じ、これはグループ展とも二人展とも違う感覚で、次の機会がより楽しみになった。
第五回記念オホーツクからの新風展
現代に受け継がれるオホーツク文化の今を北海道紋別市出身の作家が作品を通して紹介する「第五回記念オホーツクからの新風展」が、10月8日(火)から12日(土)までの5日間、銀座のミーツギャラリーで開催された。
会場内にはオホーツクをイメージした古屋かつみ作裂織「流氷帯とガリンコ号」冨樫良男作油彩「雪中に佇むポニー」など立体から絵画まで50点以上の作品が展示され、来場者の熱心な視線を集めていた。
出展作家は、冨樫良男、越野由紀則、米野貞城、古屋かつみ、新沼美保子、竹澤イチロー、小田切訓の7名に<賛助出品>の大久保澄子、柏村早織里、井手晴美、KAKIの4名(敬称略)。
日伊アートの世界
秋晴れの2024年10月15日(火)から19日(土)まで、東京都中央区銀座のミーツギャラリーで「日伊アートの世界」が開催された。展示されたのは、渡辺明澄さんの手による「龍体文字芸術」の作品「太極図」や「光明」など計17点。
「龍体文字芸術」とは古代の龍をモチーフにした書道芸術。でも、渡辺さんのは単なるカリグラフィーではなく、純金やプラチナ、墨を使って一文字一文字精巧に描かれ、観る人が忘れていた本質を思い出させ、別世界へ誘っているかのような作品でした。